長野市にあります、わかまつ呼吸器内科クリニックの看護師の野中です。
猛暑から一転、秋を通り越して初冬のような寒さを感じることが多くなりました。
長野市の特定健診も終了し、お手元に結果が届いていることと思います。
健診結果はいかがでしたか?
今年から、血圧、血糖、HbA1cの基準で、心電図と眼底検査が追加されました。
今回は高血圧についてお伝えしたいと思います。
高血圧とは
血圧が高くなる病気です。
収縮期血圧(上の)が140mmHg以上または拡張期血圧(下の)が90mmHg以上になる病気です。
日本人のうち約4000万人が該当すると言われています。
上の血圧は心臓が収縮したときの血圧で収縮期血圧、下の血圧は拡張したときの血圧で拡張期血圧と呼ばれます。
日本高血圧学会では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。
高血圧は脳卒中や心臓病のリスクを高めます。
血圧はたえず変動しているため、実際には病院などではかるたびに基準値を超えていると高血圧と診断されますが、国民健康・栄養調査でこの値を超えている人は3970万人にのぼっています。
白衣を着た医師の前で血圧が高くなるケース(白衣高血圧)がある一方、病院ではかる血圧が正常でも早朝などに血圧が高くなるケース(仮面高血圧)が知られていますので、家庭でも血圧をはかり、きちんと管理することがすすめられています。
家庭血圧の収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上で高血圧が疑われます。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット
病院ではかる血圧は高めに出る(白衣高血圧等)傾向があるため、家庭ではかる家庭血圧が重要視されるようになってきています。自宅でリラックスしているときに測るほうが正しい血圧が測れるからです。
これらの事から、皆さまには家庭での血圧測定をお勧めしています。
家庭ではかる場合は、朝晩の血圧のデータが取れます。
家庭での血圧測定
<メリット>
1、時間を決めて毎日同じ条件で、また安定した状態で測定できるので、より正確で詳細な血圧情報を把握することができる。
2、測定値を記録しておくことで、患者さん自身の健康管理の目安となり、また、医師にとっては重要な診断材料となる。
3、病院では把握しにくい白衣高血圧や仮面高血圧、早朝高血圧を診断するための参考資料となる。
4、服薬治療中には、薬の持続時間や効果を評価する資料となり、医師の治療方針の助けとなる。
また最近では、「家庭で血圧を測定することは、健康診断や診察室で測定する以上に脳卒中や虚血性心疾患の発症を予測することができる」という報告が数多くあります。
<測定の仕方>
- 測定する位置
上腕部(腕に巻くタイプの血圧計)
心臓の高さに近い上腕部での測定値が、最も安定しています。
*手首用の血圧計は、手首部分を心臓の位置(左胸)に沿えましよう。
- 測定時の条件
朝:起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、座った姿勢で1〜2分間安静にした後
晩:就床前、座った姿勢で1〜2分間安静にした後
*運動したり、飲食したりすると血圧は変動します。
血圧測定時には椅子などに腰掛け、体の力を抜いて1〜2分間安静にしてから測定します。
*同じ時間帯であれば、皆さんの一番落ち着いている時間帯でもいいと思います。
- 測定回数
朝晩各1回以上。
お忙しい方は休日でもいいと思います。
- その他
血圧測定はできるだけ長期間にわたり継続しておこない、毎日の測定値はすべて記録しておきます。
記録を診察時にお持ちいただき、皆さんの家庭での血圧を診させていただきます。
引用・参考文献:オムロンヘルスケア
高血圧が気になる方は、毎日記録をつけてみてはどうでしょうか?
ご自身の体調管理の指標になります。