新型コロナワクチン Q&A
遺伝子情報を組み替える?妊婦や妊娠への影響は?
新型コロナワクチンについていろいろな情報が出回るようになり、
皆様もどのように判断して良いのかお困りになる事があるかと思います。
過去のブログでワクチンについて説明させて頂きましたが、
様々な紛らわしい情報が出てきていたり、
細かい情報が不足していたりしますので、
私に分かる範囲ですがQ&A方式でご説明したいと思います。
まず今回の新型コロナワクチンはRNAワクチンという
新しい方法で作成されています。
しかも急ピッチで作成されたため
情報不足のこともあり様々な憶測を生んでいます。
Q1:RNAワクチンは遺伝子に影響を与えるのではないか?
A1:まずRNAというものは遺伝情報であるDNAというものから作り出されます
(DNAのコピーという形で作られます)。
簡単に言うとDNAは設計図でありRNAはその写しです。
この写しを元に細胞内でタンパク質などの必要な物質が作られます。
重要な点はDNA→RNA(設計図→写し)という流れはあるが、
RNA→DNA(写し→設計図)という流れはないということです。
すなわちRNAを投与しても遺伝情報に変化は生じません。
しかもRNAという物質は非常に弱いため
数分から数日で壊れてしまいます(体内でも同様です)。
ファイザー社製のワクチンがもの凄く
保管が難しいのはRNAが不安定のためですね。
ウイルスの設計図の写しを接種して
免疫を作ろうという点が今までのワクチンと
大きく異なる点となります。
以上より、ファイザー社製のRNAワクチンで
遺伝子に影響が出ることはないとご理解下さい。
Q2:妊婦さんや妊娠を希望する人はどうすれば良いの?
A2:このワクチンが妊娠にどのような影響を与えるかは
正直なところ明確な答えはありません。
国によっても対応が異なっているのが現状です。
日本では接種は希望すればできますが努力義務からは外れています。
今回のワクチンに対して日本産婦人科学会が提言を行っています。
- 妊婦さん、胎児への安全性は確立していない(危険という情報もない)。
- 妊娠12週までは避けたほうが良い。
- 感染リスクや重症化リスクが高い人はそれでも接種を考慮する。
- 妊婦さんの周囲の人は積極的にワクチンを受けること。
- 妊娠を希望する人は妊娠前に接種を受けること。
以上となっています。
ちなみにQ1でも触れたように、
このワクチンはウイルスそのものを接種するわけではないため(生ワクチンではない)、
胎児にRNAワクチンが影響することはないとされています。
そうはいっても妊娠中の体調は一人一人異なるため
まずは産婦人科の主治医と十分に相談するよう推奨されています。
Q3:日本ではワクチン接種後のアナフィラキシーが多いようですが?
A3:この理由は幾つか想定されています。
まず一つ目に、日本の報告基準が厳しいため
アナフィラキシーに該当しないケースも報告に含まれていると言われています。
また日本では医療従事者から接種が始まったため比較的若い方が多く、
ワクチン接種後の反応が強く出た可能性があるといわれています。
しかし本当に日本人には今回のワクチンに対する反応が
強く出るかどうかはまだ分かっていません。
Q4:変異ウイルスが増えてきています。ワクチンの効果は?
A4:報道でもご承知かと思いますが、
かなり変異ウイルスが増えているようです。
国としても変異株を検出する検査体制を強化し
どの程度拡がっているか情報を収集しているそうです。
現在まで報告された情報ではそれなりには
効果は期待できると言われています。
しかし詳細はこれからの情報待ちです。
いずれにせよワクチン接種を避ける理由にはならなそうです。
質問の多い内容について記載してみました。
少しでも皆さんのお役になれば幸いです。
さらに詳細をお知りになりたい方は
以下のサイトが非常に参考になるのでご覧下さい。
現在は様々な情報が入り乱れており不安を煽る情報もあります。
以下のサイトはきちんとした専門家が
情報提供してくれており私もとても参考になりました。
わかまつ呼吸器内科クリニック
若松俊秀