- 寝ている時にいびきをかく/いびきが急に止まる
- 就寝時に息苦しさを感じる
- 寝つきが悪い
- 夜間何度も目が覚める
- 寝ている時に暴れたりすることがある
- 日中にひどい眠気やだるさを感じる
夜の眠りになんらかの問題を抱えていると、日中に眠気を感じ、集中力が低下するといった活動時のパフォーマンス低下に繋がります。当院では、患者様ひとりひとりの人生における生活の質(QOL)を高めることを目的とした、睡眠障害の治療に取り組んでいます。
当院の院長 若松俊秀は、長野県に6名しかいない日本睡眠学会専門医です。
また、当院は長野県で2施設しかない睡眠学会専門医療機関です。
専門的な診療を受けたいという方は、当院にお越しください。
主な睡眠障害の例としては睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシーなどの過眠症・睡眠リズム障害・むずむず脚症候群・レム行動異常症などが挙げられます。
ご自身で寝苦しさを感じられる方だけでなく、「就寝時の様子が気になる…」というご家族の指摘があって来院される方も多くいらっしゃいます。
※当院は、心療内科や精神内科が得意とするうつ病等の精神疾患を起因とした不眠症の治療は行っておりません。そのため、ご相談内容によっては当院の診療の対象とならないことがございますことをご了承ください。
まずは、睡眠障害の例についてご紹介します。
日中の睡眠発作で、眠りこける ナルコレプシー(居眠り病)
ナルコレプシーとは?
ナルコレプシーとは過眠症の一つであり、居眠り病とも呼ばれており、自発的に覚醒を維持する能力や、レム睡眠を調節する機能の両者が阻害される睡眠障害のことをいいます。
ナルコレプシーの方は、夜間の睡眠時間を十分にとっているにも関わらず、本人の意思とは関係なく急に強い眠気が起こり、眠りこけてしまいます。(これを睡眠発作と言います)
危険な作業や運転中に突然眠ってしまうといった危険性だけでなく、会議のような緊張した場面でも本人の意識と関係なく眠ってしまうことから、周囲の人に誤解されやすく、ご本人の方はとても深刻な悩みを抱えています。
笑い、喜び、怒りなどの感情によって誘発される情動脱力発作を伴うナルコレプシー1型と、それを伴わないナルコレプシー2型に分類されます。
主な症状
- 日中の耐え難い睡眠発作
- 睡眠障害~夜中に目が覚める、夜間頻尿、眠りが浅く、熟睡できない…など
- 情動脱力発作(カタプレキシー)~笑い・喜びなどの感情が高まった時に突然身体が脱力してしまう。倒れる、膝が脱力する、呂律が回らなくなる…など
- 入眠時の幻覚~睡眠発作によって入眠した時や、夜間の入眠時に現実感の強い幻覚を見る
- 睡眠麻痺~睡眠時にいわゆる金縛りのような症状がある
急に眠ってしまったり、悪夢にうなされたりしていませんか?
ナルコレプシーの患者さんは、通常入眠してしばらくしてから生じるレム睡眠が、覚醒状態や入眠直後に突然生じてしまうためにこのような身体の不調を生じるとされています。
ご自分でコントロールできない眠気に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
十分な睡眠を取っているのに、眠い 過眠症
過眠症とは?
夜間しっかり睡眠をとっているのに、日中の酷い眠気に悩まされる症状のことを総称して、「過眠症」といいます。ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などもこの過眠症の一つとされます。
また、過眠症という症状だけでは、作業中に急に倒れて眠り込んでしまったり、長時間眠ったままになったり…というような分かりやすく異常な症状があるとは限りません。
平均的な過眠症の方は、
- 日中なんとなくボーっとしてしまう
- 周囲からやる気がないと見られる
- 怠けているだけだと思われる
というような症状の現れ方をします。ですから、発症から何年もこの病気に気づかず治療が遅れる方も多いようです。
夜にきちんと寝ても、日中に原因不明の強い眠気やダルさを感じたら、一度ご相談ください。
夜眠れない/朝起きれない.. 睡眠リズム障害
睡眠リズム障害とは?
夜に眠り、朝起きるという現代人の正常な生活リズム通りに寝たり起きたりすることができない睡眠障害のことを言います。
まるで時差ボケのような症状になり、昼間に眠気が強く、夜眠れないので辛く、日常生活にもさまざまな支障をきたします。睡眠リズム障害には主に4つのパターンがあります。
睡眠リズム障害の4つのパターン
- 出勤や登校などの時間に合わせた就寝、起床ができない(若年層に多い)
- 早い時間に就寝した後、早朝に目が覚めてしまい眠れない
- 寝つきが悪く、起きにくい
- 不規則に1日に3回以上眠って起きる
この睡眠リズム障害は最近、中高生などの比較的若い層に増えています。原因の多くは「スマホ」です。
授業中に寝てばかりいるお子さんが、やる気がない、怠けていると思っていたら実は夜中にスマホばかり見ていたせいで睡眠リズム障害に陥っていた…というケースをよく見かけます。
また、受験勉強や深夜のアルバイトからこの障害を患う方もいらっしゃいます。
朝起きるのが辛い・夜眠れないなど、睡眠のリズムが上手く取れないせいで日常生活に支障をきたしていると感じたら、ご相談ください。
足がむずむずして、眠れない むずむず脚症候群
むずむず脚症候群とは?
レストレスレッグス症候群、下肢静止不能症候群とも呼ばれ、横になるなど長い間同じ姿勢でじっとしていると足先がむずむずする、じっとしていられない、虫が這っているような感じがする、ちくちくと針で刺されたような痛や、かきむしりたい程のかゆみなどの不快感が起きるといった症状が現れます。
このむずむず脚症候群は特に60代、70代の高齢の方や女性に多く、患者さんの約半数に家族歴があることから遺伝性の要素もあると言われています。
この症状は夕方~夜に感じることが多く、夜中でも症状を感じたら、脚を動かしたりさすったりせずにはいられないことから、眠ることができず深い眠りも阻害されてしまいます。また、比較的浅い眠りの時に、自分の意思とは関係なく動く、周期性四肢運動障害もむずむず脚症候群のサインです。
寝ている時に足がムズムズしたら…お気軽にご相談ください。
就寝中に叫んだり、暴れたりする レム睡眠行動異常性
レム睡眠行動異常性とは?
通常時は特に症状はなく、レム睡眠時のみ異常な行動が起きることのことを言います。具体的には、就寝中に激しく身体を動かしたり、立ち上がって歩き回る、笑ったり、泣いたり、叫んだり、寝言を言うといった行動が挙げられます。突発性の睡眠障害のひとつで50~60代以上に多い症状です。
特に特徴的なことは、本人が見ていたその時見ていた夢と、夢の中でとった行動が一致するというところです。
例;何かに追いかけられる夢を見ながら、実際に逃げるような動作をする
就寝中の行動を見たご家族が心配して、患者様ご本人とご家族とで一緒に来院いただくケースもよくあります。気になることがございましたら、ご相談ください。
呼吸が急に止まる 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群とは?
一言でいうと、寝ている間に呼吸が止まってしまう病気です。
放っておくと脳や心臓に悪影響を及ぼします。生活習慣病との合併症を抱えている方も多く、睡眠時無呼吸症候群の方は、脳卒中・心筋梗塞・高血圧・不整脈・狭心症等のリスクが大幅に高まることも分かっています。
また、新幹線運転士の居眠りによる事故を発端としてもこの病気は注目されました。睡眠時無呼吸症候群の患者さんは交通事故発生率が高いというデータもあるので注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の定義と罹患率
この病気の定義は、「睡眠中に10秒以上呼吸が止まったり弱くなったりすることを、1時間に5回以上繰り返す状態」とされます。
この病気は日本ではとても多く、一般的には中年以降の男性の4%、女性が2%ほどと言われています。いびきをかくからと言って、すぐに睡眠時無呼吸症候群というわけではありませんが、いびきが頻回な場合は注意が必要です。
昼間の眠気に悩んでいませんか?
睡眠時無呼吸症候群は本人の自覚はあまりないことが多く、ご家族から「寝ているときにいびきが止まっている」と指摘されるケースが多いようです。また、昼間の耐え難い眠気や、集中力の低下、日中のだるさ等を理由に受診いただいたところ、検査を受けてこの病気に気づくということも。
こんな気になる症状はありませんか?
- 夜中の息苦しさ
- ひどいいびきや睡眠中の呼吸の停止
- 夜間の頻尿
- 朝起きた時の喉の痛みや頭痛
- 薬を飲んでも、なかなか血圧が下がらない…
- 日中の酷い眠気
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群は、骨格との関係が深いと言われています。人間が進化を遂げる過程で次第に顎が小さくなっていったと言われていますが、構造的にも元々人間の喉は狭いのです。そして、就寝中に喉が狭窄することで睡眠時無呼吸症候群が起こります。
睡眠時無呼吸症候群になる例として、扁桃が大きい・舌が大きい・太って首周りの脂肪がついてしまった・鼻づまりで口呼吸になるなどの理由が多く認められます。
睡眠時無呼吸症候群は太った方に多い病気というイメージがあるかもしれませんが、痩せている方もたくさんいらっしゃいます。
気になる症状がある方は、当院にご相談ください。
さまざまなタイプの睡眠障害にも簡易検査をお勧めする理由
睡眠障害は実にさまざま。併発し、原因の判別がつきにくいものもあります。そこでまず、この検査を受けることで睡眠時無呼吸症候群かどうかを判断するとスムーズです。
▶睡眠時無呼吸症候群だと診断されたら、その治療を行います。
▶簡易検査にて睡眠時無呼吸症候群であることを否定された場合は、ナルコレプシー、過眠症、むずむず脚症候群、睡眠リズム障害など他の病気を疑い、専門的な検査や治療にステップアップします。
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査は
自宅で検査することができる(入院の必要がない)
比較的安価な検査費用である(保険診療3割負担なら約3,500円)
といった点から、睡眠時無呼吸症候群の患者様に限らず、あなたの睡眠障害の特徴を簡易的に知る上で、とてもメリットのある検査となります。
睡眠障害の受診の流れ
当院に来院のご予約をいただき、受診していただきます。問診を行い、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は簡易検査を受けていただきます。簡易検査は来院された当日に機械をお渡しします。
※機械は1日に貸出ができる台数に限りがございますので、予めご来院前にお電話いただき、受診のご希望をお伝えください。
夜間就寝時に1~2回、腕時計のような装置を装着の上、お休みいただくことで、ご自宅にて就寝中のデータを計測します。
再診時に簡易検査の機器をご返却いただき、その場でデータを解析してご説明致します。
簡易検査の結果、精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー)が必要と判断した場合、予約を入れさせていただきます。
●精密検査が必要と判断された方 >>「4.終夜睡眠ポリグラフィー検査」へ進みます。
●問題のない方 検査はこちらで一旦終了となります。
1泊の入院検査となります。費用は保険診療3割負担の方で約17,000円~となります。
この中に検査に関わるすべての費用が含まれます。
現在、睡眠の精密検査(入院検査)のご予約が大変混み合っており、4~5ヶ月待ちとなっております。 その為、検査をご希望の日でお取りする事が難しい状況です。
早期の入院検査をご希望の方には大変ご不便をお掛けしまして申し訳ございません。
何卒、ご理解とご了承の程、宜しくお願い申し上げます。
2週間後に検査結果の説明を行います。
この際に病気の有無や状態を説明させていただきます。
●CPAPが必要とされた方 >>「6.治療導入」へ進みます。
●マウスピースによる治療適応と診断された方
CPAPは導入せず、睡眠時無呼吸用のマウスピースを作成できる歯科医院さんをご案内させて頂きます。このマウスピース(歯科装具)で病状を改善させていきます。
歯科医院をご案内する際、診療情報提供書(マウスピース作製依頼書)を後日お渡しします。
(この依頼書がない場合は保険が適用されませんのでご注意ください。)
※歯科医院は当院が信頼を置いている歯科医院さんをご案内させて頂きます。
※かかりつけ歯科のある方は、睡眠時無呼吸用のマウスピースの作成ができるかどうか、ご本人様にてご確認をお願いしております。
歯科にてマウスピース作成後、
1.歯科医師の指示のもと、しばらく使用していただきます。
2.後日マウスピースの効果を評価するために、歯科医師より当院受診の指示がありますので、再度ご来院ください。使用状況の確認をさせていただきます。
3.マウスピースが問題なく効果的に使用されていることが確認できれば、その後は歯科医師の指示に従い経過を観察していくという流れになります。
●睡眠時無呼吸症候群ではないと診断された方
別の原因がないか?を探り、診断結果にあった治療を行います
・睡眠日誌をつける(2~4週間ほど)
・採血
・投薬
・生活改善指導
・など
ナルコレプシー、過眠症、むずむず脚症候群、睡眠リズム障害等の睡眠障害と診断された場合、症状に合わせた内服薬の処方や、生活リズムの改善指導などを行っていきます。
その他の場合は、適切な診療科へご紹介させて頂きます。または 現在のところ問題がない方は一旦終了となります。
経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAPシーパップと呼んでいます) 鼻マスクから圧をかけた空気を送り込む事により閉塞部を広げ呼吸を維持する治療で、現時点では睡眠時無呼吸症候群に対して最も効果が証明されている治療法です。
この治療では毎晩ご自分で機械を取り付けて寝る必要があります。そこで、当院ではできる限り詳細な説明を行い、治療開始後も患者さんときめ細かい相談をしながら治療を進めさせていただきます。
再度1泊入院いただき、精密検査を行いながらCPAPの装着を行い調整させていただきます。退院時には調整の終了した機械をお渡し致しますので、その日の夜からご自宅でCPAP治療を開始できます。費用:検査料とCPAP管理料を合わせて約21,000円~となります。(3割負担の場合)
CPAPを導入された患者さんは、初めは悩みながら使用なさると思います。
当院では導入開始から2週間程度で早めにご受診いただき、使用上の問題点を早期に解決するようにしております。
もちろん、心配な点や問題点があればいつでも機械を持って受診してください。ここで使用上の問題点を解決した後には、1ヶ月に一度定期受診していただきます。
費用:再診料、在宅治療器レンタル料 約5,000円/月(1ヶ月に一度の受診が必要となります)。
終夜睡眠ポリグラフィー検査について
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査で異常が認められた場合に、受けて頂く精密検査となります。この検査は、当院のような専門装置のある医療機関でしか出来ません。1泊入院にて検査を行います。
費用は保険診療3割負担の方で約17,000円~となります。この中に検査に関わるすべての費用が含まれます。
この検査では、たくさんのセンサーを全身につけて眠っていただくことで、あなたの睡眠の質を総合的に評価することができます。脳波や目の動きによる眠りの質の判断や、呼吸運動の評価、心電図による脈拍の評価、筋電図による睡眠中の筋肉の動きの評価など、普段目にすることができない睡眠中の様子を明らかにします。
入院検査と聞くと不安に思われる方もいると思いますが、 痛みはなく、全室個室にて専門の技師が常駐して検査にあたるので安心です。初めはたくさんのセンサーに驚く方、いつもと異なる環境の中、眠れないのではないか?とご心配される方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が眠れています。検査で使用している機器はワイヤレスとなっており、夜間のトイレも問題なく行くことができます。
入院検査について
入院検査が可能な曜日
金曜日に行っています(火曜日に行う場合もあり)。仕事帰りにご来院いただき、翌日退院してそのまま出社することも可能です。
入院時の持ち物
・パジャマ
・着替え
・常備薬
※枕は患者様のお好みで選べるよう材質や高さを変えて数種類用意しています。
もしご自身で使い慣れているもののほうが良い場合は、遠慮なくご持参ください。
当院に備えているもの
ティッシュ、タオル、バスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ、ドライヤー、歯ブラシセット、水(ペットボトル) 、スリッパ
食事についての注意
当院では食事の提供はありません。事前に食事をとっていただいてからご来院ください。普段服用しているお薬は、いつも通りに内服して下さい。アルコールを摂取しての検査はできませんので、ご注意ください。
当院は禁煙です。
当院は院内はもちろんですが敷地内全て禁煙となっています。
来院後に喫煙はできませんのでご承知ください。
入院後の流れ
①ご来院(18:30)
駐車場は広いので遠慮なく車でお越し下さい。お部屋にご案内させていただき、簡単な問診や体温や血圧の測定を行います。
※シャワー浴ついて
シャワーを浴びていただける設備があります(共用のため交代制となります)。検査前、検査後ともご利用が可能です
②センサーの装着(20:00頃)
すべてのセンサーの装着には、1時間ほどかかります。
③検査開始(21:30頃)
検査開始後は消灯させていただきます。検査中、トイレに行くことも可能です。
④検査終了(翌朝)
センサーの取り外しをさせていただき、その後シャワーにて検査の際に使用したペーストを落としていただきます。
⑤退院(6:30頃)
お疲れ様でした。2週間以降で再診予約を取っていただき、検査結果をご説明させていただきます。
睡眠障害に関する検査費・治療費について
検査の費用(保険負担3割の方の場合)
簡易検査の費用(初診)
約3,500円
精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー)
約17,000円~ ※諸経費含む
タイトレーション検査(CPAP治療導入)
約21,000円~ ※検査料、CPAP管理料含む
CPAP導入後の経過観察
約5000円/1回 ※再診料(月1)、機器レンタル代含む
事前問診票とアンケートのお願い
当院では患者様の待ち時間短縮のため、事前に問診票のご記入をお願いしております。お手数をおかけしますが可能であればご協力ください。