こんにちは!長野市にあります、わかまつ呼吸器内科クリニック検査技師の高橋です。
もうすっかり秋ですね。
体調を崩さないよう気を付けてお過ごし下さい。
さて、秋といえば何でしょう?
私は芸術の秋!ということで、舞台『ドリアン・グレイの肖像』を観劇してきました。
公演は東京、大阪、福岡、そして再び東京と三都市で行われ、私は東京・新国立劇場中劇場での公演の初日と大千秋楽に行くことが出来ました。
オスカー・ワイルド原作の小説『ドリアン・グレイの肖像』
美青年であるがゆえに、人一倍若さが失われることを恐れ、親友の画家が描いた自分の若き日の肖像画に嫉妬してしまう主人公ドリアン。「いつまでも若さを保つのが僕で、老け込んでいくのがこの絵だったら…」と願います。
ある日、ドリアンはふらりと入った劇場の女優、シビルと恋に落ちます。しかし本当の恋を知ったことでシビルは舞台で恋する女を演じられなくなってしまいます。ドリアンは演じられなくなったシビルに興味を持てなくなり、彼女を冷たく突き放します。シビルへの残酷な仕打ちを悔やむドリアンですが、ある男の巧みな言葉によって過去は過去と割り切り享楽の世界へ溺れていきます。
それからというもの、ドリアンが年齢や悪徳を重ねると、肖像画はその分だけ醜くなっていくのでした。一方でドリアン自身はいつまでも美しいまま、純粋な笑顔も変わらずに、一向に歳を取りません。彼の願い通りになったのです…
ファンタジーではありますが、どこかリアルに感じる物語。行き過ぎた欲はドリアンだけでなく、誰もが持っているものなのかもしれません。
舞台の中央に置かれた巨大なドリアンの肖像画は、ストーリーが進むにつれて残忍な笑みに変化していきました。照明の当て方によって見え方が変わる仕掛けで、見ているとなんだか胸騒ぎがしました。
そして、やはり生のお芝居はエネルギーを貰えます。
徳山秀典さん、舞羽美海さん、仲田拡輝さん、金すんらさんという素敵なキャストの中で、初主演・初ストレートプレイにして純粋無垢で圧倒的な美青年が欲望にまみれ狂っていく様を見事に演じたのは中山優馬さん。
阿片に溺れながらハープシコードを弾く妖艶な場面は圧巻でした。カーテンコールでの彼の笑顔と自信に満ちた顔は忘れられません。
彼の自信はきっと、観客には見えない並みならぬ努力から生まれているのでしょうね。私も頑張ろうと思います。