炭水化物は悪者か?
年末になり、皆さん美味しい物を沢山食べる時期です。
年が明けると、太っちゃったーと言われる患者さんが増えます。
改めてダイエットに励もうと思われている方も多いかと思います。
何か良い方法がないかと見渡すと、巷には様々なダイエットの方法が溢れています。ここ最近のトピックはやはり低糖質ダイエットですね。
そんな低糖質ダイエットを強力に後押しする論文がLancet(超有名で権威ある学術誌)から出されたことを以前にお伝えしました。
その論文では、炭水化物を沢山食べている人達は、少なく食べている人達と比較して死亡率が低い。と結論されていました。
また、脂肪摂取が多い人達は、脂肪摂取が少ない人達と比較し死亡率が低い。とも結論しています。
これを見ると、低糖質ダイエットは非常に良いという結論に思えます。
しかし、統計学を専門にしている方が、以下のブログにてその結論に反論しています。
http://krsk-phs.hatenablog.com/entry/pure_criticism
この方は、この論文では多くの地域(国)の人達を対象にしているため、様々な背景の人達が入っており、単純に食事内容の比較だけで死亡率を論じることの問題を指摘されています。
確かに炭水化物の比率が高いグループは、極端に比率が高く炭水化物以外のカロリー源が摂取できていないことが予想されます。すなわち“炭水化物しか食べられないグループ”ということが分かります。イメージとしてはお米と僅かなおかずしか食べていないということでしょう(昭和以前の日本人の食生活に近いでしょうか)。このグループの死亡率が他のグループと比較して高くても、炭水化物が悪いとは言えないでしょう。
これからも炭水化物に関しての論争は続いてゆくと思います。
私の今の考えは、太るほどの高カロリーを炭水化物で摂取してしまうと、血糖値の上昇や脂肪肝をもたらしてしまうと考えています。しかしある程度のカロリーは炭水化物で取らないと、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)のバランスが崩れて別の問題が出てくるのではないか(タンパク質ばかり取っていても動脈硬化が進行するという報告もあります)と思います。
これからも、この問題に関しては関心を持って動向に注目してゆきます。
またお役に立ちそうな情報があればご報告させていただきます。
ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。